「お母さんばっかり」
日経新聞で、写真家の長島有里枝さんの「お母さんばっかり」という記事を読んだ。
日替わりでいろんな業界の人が短いコラムを書いていて、夕刊向けに割とさらっとしたものとか、面白いネタを書く人もいるので気楽に読んでいたが、ふと目にしたこの記事の静かな怒り…
わたしにも身に覚えがある話で、妙に印象に残った。
自由なイメージの著名な写真家ですらこう感じているんだ、と。
こういうことって、なかなか公の場で書けない、というか、あえてここは書かない人が多いが思っている人は沢山いるんだろうな。
これは全く勝手な想像にすぎないけど、日経新聞の、さらに夕刊記事の伝統的な読者層は「日本経済を担っている(来た)おじ(い)さん世代とその配偶者(=専業主婦)」がメインと思われるので、こういう話って最も理解できないし、刺さらないんじゃないかな、あえてそこに書いてみたのかな、と勝手に考えてみたりして。
それにしても最近は、朝刊記事でも結構働いている女性が本音をズバリ書いていたり、
リベラル目線の男性陣が日本社会における女性の立場について結構リアルな事実を述べていたり、この手の記事が増えてきたように思う。
女性に関する記事がいわゆる「くらし」「ライフ」誌面を飛び出しているというか。
女性の読者層が増えているのか、社会の流れを意識してなのかわからないけど、
もっと、も~っと、こういう記事が増えてほしい。露出を多くしてほしい。
全然ジェンダーギャップを理解していない人が、わが社にも同世代ですら結構いて、彼らは揃って日経を読んでいるし。
ネット記事は自分の思考や興味からある程度ソートされて表示されているはずなので、
自分好みの記事ばかりに偏りがちになるけど、新聞はそうでもないところが、やっぱりおもしろいなと思う理由。ゴミ捨てがしんどいけど。
「女性だから」という理由で、変だな、嫌だな、不公平だなってことに対して自分なりに発言していくこと、何らかのアウトプットを続けていくことって大事なことだな、と感じたのは正直娘を産んでから。
娘が大きくなった時に、同じような思いはしてほしくない。
一人一人の個性が尊重されてのびのび生きることができる日本になりますように。